Bluetoothで悩む

ほんの2年くらい前までは「Bluetoothなんて、あんな中途半端なもん、いったい何に使うんだよ」などと思っていた私なのですが、気づいてみれば、Bluetooth対応のマウスやらキーボードやらヘッドセットやら(それからGPSロガーなんていうものまで)、両手の指では足らないほどになってしまっています。Bluetoothインターフェースを持っているPCも、Mac Book、LOOX U、dynabook SS、それにデスクトップPC1台、と4台もあります。いつの間にこんなことになってしまったのでしょう?

先日買ったメインのノートPCも「Bluetoothインターフェースが付いていること」が絶対条件で、dynabook SS RX2の直販モデルにしたくらいです(店頭売りモデルはナゼかBluetoothに対応していなかった)。まあ、USBに挿すBluetoothインターフェースでもいいと言えばいいのですが、出っ張りはできるだけ避けたい、ということで。

さて、そのdynabook SS RX2なのですが、先日も書いたとおりBluetoothの調子がよくありませんでした。大きな問題点は2つ。

  • OSをスリープから復帰させるとBluetoothが無効になってしまう……というのは正確ではなくて、じつは30分くらい待つと復活しました。とにかく、OSのスリープ復帰後30分はBluetoothが使えないという状況。
  • Apple Wireless Keyboardを使っていると頻繁に切断される。また、切断される直前に押していたキーが延々とリピートされることもある。

最初の件については、東芝のサポートにも訊いてみたのですが「そのような現象は報告されていません。いちどVistaで同じ現象がでるか確かめてください」と言われてしまいました。なんかXPにダウングレードした私がいけないみたいな……XPへのダウングレードもサポートされているはずなんですけどねえ、どっかのメーカーと違って。いずれにしても、やっと環境が整ったところを、Vistaに戻すのも大変だなあ、と思ったわけです。

二番目の不具合については、いろいろ検索していたところ「東芝スタックとApple Wireless Keyboardは相性が悪い」という未確認情報を得ました。「東芝スタック」というのは、東芝製のBluetoothドライバ(スタック)のことで、東芝製のdynabookには当然のごとくこれがインストールされています。

東芝のがダメだとすれば、別のに変えてみるのがセオリーですね。まずはマイクロソフト製のスタック、これは無料……ではなくてWindows XPに付属していますから、別に費用が発生しないというだけです。東芝スタックを削除して再起動すれば、PnPで勝手にマイクロソフトスタックのインストールがされるはずなので、そのようにしてみたのですが、ナゼかOSからBluetoothインターフェースが見つからないようで、何ごとも起きませんでした。デバイスマネージャを見ても「不明がデバイス」がありません。不思議です。いずれにしても、これではマイクロソフトスタックを使って状況を確認することすらできません。

そもそもXP付属のマイクロソフトスタックは機能的にかなり貧弱で、ヘッドセットが使えない等、これでうまく行っても実用性は低いのでこれ以上深入りはしないことにしました。で、次に白羽の矢を立てたスタックがBlueSoleilです。これは売り物なのですが、転送量2MB・15日間という制限付きで試用ができるようなので、試してみることにしました。まず、東芝スタックが削除された状態でBlueSoleilをインストールすると「アダプタが見つかりません」(←確かこんなメッセージ)が出てしまいました。このPCのBluetoothインターフェースは、やっぱり東芝スタックしか使えないのでしょうか? まあ、東芝製のPCだし、その可能性も無きにしも非ずなのですが、「OSからアダプタ(デバイス)が見えない」というのがどうにも不思議です。Mac BookにWindows XPを入れたときにも、デスクトップPCのUSBにBluetoothインターフェースを挿したときにも、すぐに「新しいデバイスが見つかりました」と出てきたのに、このノートPCの場合にはそれが出ないのです。

もしかすると、何らかの(低レベルの)ドライバが入ってないと、このノートPCのBluetoothインターフェースはOSから見えないんじゃないか、そしてそのドライバは東芝スタックの中に入っているんじゃないか、と思い始めました。とは言うものの、東芝スタックのインストール時には「低レベルのドライバだけをインストールする」というような選択肢はありません。嫌でも全部入ってしまいます。そこで強引な手段ですが、まず東芝スタックを(全部)インストールして、その上でBlueSoleilをインストールすることをやってみました。つまり、Bluetoothスタックを2つインストールする形です。で、やってみたところ、これがすんなり通りました。BlueSoleilをインストールすると、東芝スタックのうち重複する部分が勝手に無効になるようで、特に何も考えずにBlueSoleilが使えるようになりました。手作業で行ったのは、東芝スタックのソフトのうちスタートアップに入っていたBluetooth Managerを起動しないようにしただけです。

で、BlueSoleilを試用してみたところ、2つの不具合「スリープから復帰したときにBluetoothが使えない」「Apple Wireless Keyboardが頻繁に切断される」とも完全に解消しました。やはり、東芝スタックではApple Wireless Keyboardはダメみたいです。「仕方ないから別のキーボードを買おうか」と悩んでいたのですが、これで解決です。ちなみに、ここまでBlueSoleilとApple Wireless Keyboardを使って書いていますが、まったく切断されません。もし東芝スタックだったら、もう10回以上切断されているはずです。

ちなみに、BlueSoleilはIVT Corporationというところが開発した有料のソフトです。古いバージョンはBluetoothインターフェースに付属していたりしますが、そもそもそれは当該ハードウェアでしか使えないライセンスですから、今回は使えません。なので購入することになるわけですが、この会社は国内に代理店が無いようで、直接買うしかありません。お値段は19.95ユーロです。本日のレートでは1ユーロが約136円です。ひところ120円以下まで下がったような記憶が……その頃と比較すると数百円はソンしたような。